メカルデンヤ

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騎士団長殺し・読了

 

騎士団長殺し(新潮文庫) 全4冊セット
 

2020.11.4 読了

 

世界の終わり~からハマった、村上春樹の長編を呼んだのはこれで5回目になる。

個人的には1Q84には及ばなかったけれど、今回もけっこう楽しめた。

感想は続きから(ネタバレ有)

ファンタジーがそもそも好きなので、2部後半の地底の冒険のところとかはけっこうわくわくした。まぁそもそもこの人の作品にはそういうところが多いから好き、っていうのもあるけど。

評価が1パターンだとか(「私」が戻れたと思った世界は、出ていった世界とは違う世界かもしれない、が1Q84を彷彿とさせた)、そういう声にはまあそうかな、とは思ったけど、ラストが比較的爽やかな感じだったし、ほっこり出来たのでとても満足(騎士団長はほんとうにいたんだよ)。ああいう、最終的には救いがある物語はとても好きなのだ。

 

…あとこの人、遠隔妊娠好きすぎん???

最初っから主人公のセックスの話出てきたときは「またか」で済んだけど、今度は夢の中で別れた妻と交わって、そこで妊娠させたところは笑ってしまったぞ!あれ?こういうのどこかで見た事あるな~ おい、天吾くん…

 

そして騎士団長だったり、顔ながのキャラがコミカルで面白かった。喋り方が独特で良いのよね。

 

あと顔が無い男に肖像画を迫られるプロローグがエピローグにもなっているんじゃないか、と言われているけど、確かにしっくりくる。こういうのも面白いねぇ。

 

以下好きだった表現

それだけのこと、と私は思った。それを聞いたら、半年間雨ざらしになっている私のカローラ・ワゴンはきっと肩を落とすことだろう。下手をすれば気を失ってしまうかもしれない。(4巻・189P)

その後も執拗に「埃まみれのカローラ・ワゴン」が出てきて、くすっとした。

 

それはいったいどんなものだろう?立派な翼をそなえて、東京から大阪まで二時間あれば空を飛んでいけるオムレツかもしれない。(4巻・192P)

 オムレツに感動しすぎた「私」

 

「この絵が描かれ、この世界のどこかに存在しているというだけで、彼にはもう十分だったんだ。」(4巻・251P)

「私」の言う通り、こういう想いは大事にしていきたいよね。

 

全部4巻なのは、単純に付箋をつけ出したのが4巻だったから。ほかの巻もけっこういろいろあったような気がする。早く付箋を使えばよかった…

 

 

ダンス・ダンス・ダンスの評判を見て気になっているので、次の春樹長編は青春四部作を読みたいな~!