メカルデンヤ

好きなものを好きなだけ。日記、読書、ゲーム、YouTube、音楽とか

私のジャンルに「神」がいます

 

2023.04.06了

あらすじ

憧憬、羨望、執着、嫉妬、愛…同人活動をする者達のほぼ全てがここにある

類まれなる文章力で二次創作界に燦然と輝く天才字書き・綾城(あやしろ)。
同ジャンルの者達はその作品に焦がれ、打ちひしがれ、
彼女に馴れ馴れしくリプを飛ばす「おけけパワー中島」への憎悪をくすぶらせていくのであった……。

天才字書きをめぐる創作者たちの葛藤を綴った連作。

 

数年前にバズったTwitter漫画が発端になっている。「おけけパワー中島」で覚えがある人は多いのではないか。

その後はTwitterとpixivでシリーズが続き、現在KADOKAWAから3巻書籍化している。

 

天才字書きに憧れて同人活動に励んだり、人が少ないジャンルに突然ハマってしまったり、いいねの数が気になって仕方がなかったり…同人活動に命を捧げる女たちを激しく描いている今作。一度は創作者としてSNSに作品を上げたりしている人にはとても共感できる場面がかなり多い。

特にキャラが嫉妬するところだったりとか、「あ~そうなんだよね…認めたくはないけどそうなんだよね…」ってな感じで痛いところを突かれることがしばしば。一応フィクションの物語だが、ここらへんを「楽しい」と感じるか、「嫌だ」と感じるかで今作が好きか嫌いかに分かれそう。共感して痛い思いをしたりしたけど、私はかなり好きな方でした。

 

なかでもこの物語の中心人物となっている「おけけパワー中島」。ありそうでなかった素っ頓狂なネーミングで話題になり、当時は新作が出ると、トレンドに入ったりしていた。

天才字書き・綾城のファンであり、友達。隙あらば綾城にリプを飛ばしたり、通話したりしているおけパ。

外野から見たら「こいつあの綾城さんにめっちゃ馴れ馴れしいけどなんなの?有名どころに構って欲しいの?」という見方をされることがしばしばだが、綾城サイドから見ると、「昔から悩みを聞いてくれて、ジャンル移動をしても縁が切れないほど大切な友人」という見方になるのだ。最初は読者も七瀬と同じように「なんだこいつ…」と思っていても、最終的には「おけパ良い奴じゃん…」と思うようになっている。

 

個人的には7年前に出た同人誌が欲しい話が衝撃的だった。綾城さんの旧名「虚崎」さんの頃の同人誌が欲しいがために、その虚崎さんの頃の知り合いの「フォロワー」などを片っ端から調べて今の虚崎さんのアカウントを見つけようとする執念が凄まじくて思わず笑ってしまいました。いや現代においてこういう話はちょっとありそうだよなぁ…。

 

https://comic.pixiv.net/works/7003

↑ここから全話無料で読めるので、気になった方は是非。コミック版だと描き下ろしエピソードが収録されています。

 

全3巻の続きはというと、今でもTwitterとpixivで連載されています。続きの書籍化は同人誌でやっていくらしいので、そちらも要チェック。

作者さんTwitterhttps://twitter.com/sanada_jp

pixiv→真田つづる - pixiv